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ごあいさつ
第50回中国・四国整形外科学会
会長 内尾 祐司

島根大学医学部整形外科学

 第50回中国・四国整形外科学会を主催させて頂きますことを大変光栄に存じます。
 中国・四国整形外科学会は、昭和43年に第1回本学会を児玉俊夫先生(岡山大学医学部整形外科教室初代主任教授)が主催されてから今回で第50回を迎えます。その間、本会は戦後の高度経済成長から、昭和48年(1973年)10月に勃発した第4次中東戦争をきっかけとするオイルショック、その後の株式や不動産を中心にした資産の過度な高騰をもたらしたバブル景気がはじけ、失われた20年と呼ばれる経済の停滞が続くという激動の時代とともにありました。世界保健機関が世界一と称賛した国民皆保険制度によって、日本は低コストでだれでもアクセス可能で効率的な医療が現出されたものの、現在、超高齢人口減少社会日本の国の財政を逼迫する医療・福祉費の高騰や医療の地域格差、経済格差などが社会問題化しています。一方、リスクマネージメントや個人情報保護法による規制など、医療安全の厳密化が叫ばれる中で、初期臨床研修制度がもたらした医師不足による地域医療の荒廃など、医療を取り囲む環境は厳しさを増しています。このような激動の歴史の中にあって、これまで本学会の先達はどのように整形外科医療を築いてこられたのでしょうか?そして、未来の若い人たちに託すことは何でしょうか?
 本学会は、「ー革新の50年と未来への飛翔ー」をテーマにとして、特別講演には、本学会の50年の歴史を岡山大学大学院整形外科教授の尾崎敏文先生にご講演頂きますとともに、若い人たちに未来への飛翔に向けて、先生が整形外科医療に携わってこられた40年を広島大学長の越智光夫先生にお話しをいただきます。お二人のご講演は、本学会の先達のこれまでの来し方に対する驚きと敬意を湧き起こさせるとともに、私たちの行き末に大きな示唆を与えていただけるものと信じております。
 また、「未来人が拓く整形外科医療」と題して、各大学から新進気鋭の先生にご教室の特色ある研究ならびに診療をご紹介いただきます。さらに、文化講演では、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の曾孫でいらっしゃる島根県立大学教授の小泉 凡先生に「小泉八雲を現代に活かす」と題してお話をいただきます。主題では、超高齢社会日本での喫緊の課題である「椎体脆弱性骨折の診断と治療」と、先端医療技術としての「THAにおけるナビゲーションの有用性」を選びました。主題の演者の先生には原著論文として本学会雑誌に投稿頂き、是非学会奨励賞受賞をめざして頂きたいと思います。
 ランチョンセミナー(スサノオセミナー)では、日体大総合研究所教授、武藤芳照先生に健康スポーツ医学の予防教育について、名古屋大学手の外科学教授 平田 仁先生にDupuytren拘縮の最新の話題を、京都大学大学院教授 松田秀一先生に人工膝関節再置換術について適応と手術手技を、福島県立医科大学教授 紺野愼一先生に慢性腰痛の病態と治療について、それぞれご専門の領域のアップデイトなご講演をいただく予定です。講師の先生方には、いずれも大変興味深い演題を選んでいただきました。
 本学会の多くの先達のご尽力によって中国・四国地区の整形外科医学・医療が発展してきました。今後さらなる発展を期するためにも、どうか皆様方の活発なご討論をいただきますようお願い申し上げます。とくに、次世代を担う若い整形外科医師の未来への飛翔のために、温かいご指導とご助言をいただき、中国・四国整形外科学会の50年の伝統をお伝え下さるようお願い申し上げます。

 なお、本学会開催中に学会会場にて、第71回中国四国手外科症例検討会および第9回中国四国小児整形外科研修会も併催されます。これらの学会には第50回中国・四国整形外科学会参加証で自由に参加できます。手外科症例検討会では、四谷メディカルキューブ手の外科・マイクロサージャリーセンター部長 平瀬雄一先生に、「女性疾患としての手指の変形性関節症」をお話しいただく予定です。また、第9回中国四国小児整形外科研修会には、独立行政法人国立病院機構岡山医療センター小児科の久保俊英先生に「くる病―温故知新―」と題して、香川大学教授 山本哲司先生には「小児の骨腫瘍の病態と鑑別診断」について、広島大学大学院教授 安達伸生先生に「若年性膝離断性骨軟骨炎の診断と治療」と題して、それぞれご講演いただく予定です。人口減少社会だからこそ、日本の未来を担う小児の運動器の健康にも私たちは積極的に取り組まなければなりません。本研修会も先生方の有意義な研修の機会となるものと思います。
 10月の松江は神在月でございます。中国四国地区の整形外科医学・医療の神様のご来訪を心よりお待ち申し上げております。学会の合間には海の幸・山の幸も豊富な山陰の味覚を満喫しながら、日頃の疲れを癒して頂きたいと思います。どうか、多くの皆様方のご参加と活発なご討論を心よりお願い申し上げます。