第53回 日本実験動物技術者協会総会in松山
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大会長あいさつ
第53 回 日本実験動物技術者協会総会 in 松山
大会長 矢田 範夫(岡山大学自然生命科学研究支援センター)

 一般社団法人日本実験動物技術者協会は、第53 回となる全国総会を来る2019年10月24 日(木)から26日(土)までの3日間、松山市総合コミュニティセンター(愛媛県松山市)にて開催いたします。全国各地、さまざまな場面で実験動物・動物実験の現場に関わる皆様のご参加をお願いいたします。
 今大会のテーマを「伝えたい技術・伝えるための技術 ~世代を越え、稔(みの)りゆく未来につなぐ~」といたしました。
 実験動物・動物実験に関わる現場の多くで「技術の標準化」が課題として挙げられております。術者によって手技の精度が異なることが実験結果に影響をもたらし、そのために3R'sのreductionやrefinementの実現にも支障が生じかねないとすれば、それは実験動物福祉の向上に貢献することを職責とする私たち実験動物技術者にとって決して無関心ではいられません。
 現場の実験動物技術者が創意工夫によって確立した技術を吟味し、広く普遍化していくことが、この課題に対する回答のひとつになり得るのではないかと私たちは考えます。失敗すらそこでは貴重な経験になります。うまくいったこと、いかなかったこと、それらすべてを個人的経験にとどめるのではなく、そこから普遍的な中身を取り出し、次の世代に伝えていく───こうして「実験動物福祉の向上」ということを軸足に「技術」というものをとらえるところに、技術者集団としての実技協の果たすべき役割があるのではないでしょうか。こうした思いをこめて、大会テーマを選定いたしました。
 ただ、ひとことで「伝える」と申しましても、決して簡単なことではありません。何を伝えるのかということだけでなく、どのように伝えるのかということもまた真剣に顧みられなければなりません。
 そこではまた、伝えるということ自体が技術となっていくのではないでしょうか。
 こうしたことを考えていくきっかけにすべく、記念講演・特別講演・教育講演、各種シンポジウムなどの企画を検討しております。
 さらに今大会では、学会での託児・一時保育の必要性などについて、子育てまっただなかの女性会員の発案でアンケートによる実態調査を行い、その結果を報告する機会を設けることも検討しております。子育て中の方、特に女性技術者・研究者の学術集会参加を応援する取り組みとしてご注目をいただければ幸いです。
 ところで、1966年の創立から半世紀を超える私たち実技協の歴史の中で、四国での全国大会開催は初めてになります。四国といえば、うどんの香川県、阿波踊りの徳島県、太平洋と鰹の高知県など全国的にも知られた観光資源を誇っておりますが、愛媛県・松山市も日本最古の温泉「道後温泉」という強力なセールスポイントで、年間を通じて多くの旅行者を惹きつける魅力あふれる土地です。この四国・松山の地で開催する第53回大会では、ホスト役となる協会関西支部の知恵と力を注ぎこんで、何よりも地元愛媛大学の方々の全面的なご協力のもとで、よく学び、よく交流し、そしてよく食べよく遊ぶ、参加者みなさまの記憶に残る大会をお届けしたいと考えております。
 多くのご参加をいただきますことを、また大会の成功のためにご支援・ご協力を賜りますことをお願い申し上げて、ご挨拶とさせていただきます。