会長挨拶
第50回日本肺癌学会 中国・四国支部会
 会長   中田 昌男
(川崎医科大学 呼吸器外科学 教授)

   このたび、第50回日本肺癌学会中国四国支部会をお世話させていただきますことは大変光栄なことであり、このような機会を与えてくださいました会員の皆様に厚く御礼申し上げます。
   伝統ある本会も今年で50回を数えますことから、テーマを『新たな半世紀へ ―EBMと実地臨床の統合―』といたしました。肺癌の治療成績はまだまだ満足のいくものではありませんが、近年の分子標的薬をはじめとする新薬の登場や診断精度の向上などにより着実に進歩を重ねています。そのような時代背景の中でわれわれ医療従事者は次々と新しく生み出されるエビデンスやガイドラインに基づいた診療が求められています。しかし、その一方で個々の症例の機能的および社会的状況に応じた柔軟性も必要です。エビデンスのある治療が難しい場合にどう対処するか、エビデンスのない疾患の治療をどう組み立てるかは、個々の症例を通して積み重ねられた経験が有用である場合も少なくありません。そういう意味において本会は、臨床試験によってもたらされた新しい知見を勉強するとともに、症例発表の中から毎日の診療に役立つヒントを学ぶことのできる格好の場であると考えます。是非、多くの研究や症例経験をお寄せください。そして日々の臨床に役立つ情報をお持ち帰りいただけたらと思います。
   肺癌診療のすそ野を広げるため、コメディカルや研修医・学生の方の参加費を無料とし、気軽に参加していただけるよう配慮いたしました。会場の芸文館は倉敷美観地区に隣接していますので会の合間に散策をお楽しみいただくこともできます。また、一日目の夜には岡山の夜を楽しんでいただけるよう無料懇親会を予定しています。多くの皆様がこの期に親睦を深めていただければ幸いです。「晴れの国おかやま」でお待ちしております。