パネルディスカッション2
外来におけるがん化学療法パスのアウトカム改善
−パスはがん化学療法をマネジメントできるのか?−
武蔵野赤十字病院 看護係長
みやぎ県南中核病院
オーガナイザー/ 座長:村木 泰子(むらき やすこ)
座長: 蒲生真紀夫(がもう まきお)
がん化学療法パスについては、「レジメンパス」という言葉があります。標準レジメンや副作用観察記載基準(CTCAE)が現場に浸透することにより、レジメンと観察項目を中心とした「安全」のためのツールという側面が強調されたものと考えられます。
2009年のパス学会では、がん化学療法パスを作成するために必要なチームの構築、そのチーム内での作成過程を提示しました。また、がん化学療法における汎用パスを紹介し、汎用パスの考え方などについてディスカッションを行いました。この中でがん化学療法パスにおいては、単回の治療におけるアウトカム設定だけでなく、複数回治療が行われることを念頭においた患者アウトカムの設定やパスの作成も必要となる可能性があることが示唆されました。
2010年は「がん化学療法とパスVol.2」として、パスの本来の「マネジメントツール」としての側面に焦点をあて、外来で行われる代表的なレジメンについて、それぞれのレジメンを施行する際に評価すべき項目を抽出し、それらの項目がどの程度適切にパスの中に組み込まれているのを比較検討していきたいと思います。これらを検討することによって必要な評価項目、これを評価するために適切な通院日、通院日で行う介入を設定し、最終的なアウトカム達成のために必要な因子が何かをディスカッションしていきたいと思います。
また本セッションを通じて、現在混同されて使用されていることが多い「レジメンパス」と「がん薬物療法を行うためのパス」の違いについて再考する機会としたいと思います。