教育セミナー6 【アドバンスコース3】
みんなで取り組むパスの進化実践マニュアル
黒部市民病院 関節スポーツ外科
今田 光一(いまだ こういち)
より良いパスへの進化・TQMアップ・パス大会マニュアル
パスは有難いバイブルではなくあくまで仮説です。「この治療はこういう風に進めてこういうチェックポイントを設けて次の段階に進めれば、合併症の見落としなく良いタイミングでリハビリや退院支援などが図れるだろう」という仮説です。仮説は正しいとは限りません。現場の医療ケアでは「この患者にこのパス通りに進めてよいか?」「このパスのこの部分はおかしいのではないか?」という疑いの目を持って使用する必があります。パスに加えた「アレンジ」や「パス通りにしなかった部分」を集めて、パスを改変していくことがパス医療の原点です。「こっちの方がいいじゃん」「ここはパスに載せなくてもいいじゃん」というのをちょっと主張してみませんか>これがバリアンス分析でありお気楽パス大会です。パス大会準備に疲弊せず、抵抗勢力に悩まず、パス委員会ががんばりすぎず、みんなが改善の足跡を残し、息長く続けられるパス大会の方法があります。アドバンスコース2「バリアンス分析の基本」を頭の隅におきつつも「気楽に」パスを改善してみましょう。薬剤部、事務、栄養、リハビリ、連携室・・自分の部署で持っているデータで「このパスはこう変えては?」と自分たちの持っているデータで勝手に主張してください。医学的には・は禁句です。良い医療ケアの真実とアイデアがきっと見つかります。
連携パスだって進化する・連携パス分析マニュアル
連携パスは「パス」です。「連絡票」「お薬手帳」「ブログ」の要素はあってもそれが本質ではありません。「連携がスムーズにいくようになってよかったね」という低レベルな目的で満足してはいけません。「地域全体の質を上げて自慢する」連携医療のために、連携パスを直すため、気楽に集まる方法があります。
紙から電子への大変身・パス電子化マニュアル
あなたの電子化パスは気楽に使えますか?以下の4つをみればわかります。これを満たすとパス医療は快適です。
1)パスの画面は10秒以内で展開する
2)栄養科部門も自分の部門画面からパスがすぐ見える
3)アウトカムとバリアンスの仕組み、言葉の原則が間違っていない
4)中止、中断がきちんと反映する
逆に、機能が悪いから・・と電子カルテ導入で衰退したパス活動を電子カルテのせいにしていませんか?たとえ機能が悪くても発想の転換でパスをうまく運用する方法があります。ベンダーさんだって仲間です。相談しながらアイデアを出しましょう。