ホテルグランヴィア岡山
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ごあいさつ
第53回中国・四国精神神経学会 会長
内富 庸介

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
精神神経病態学教室 教授

 第53回中国四国精神神経学会開催にあたり、一言、ご挨拶申し上げます。
 本学会では、「地域に拡がる精神科医療」をテーマに掲げました。そして、現在の精神科医療の原点を見つめ直すよい機会となればと考え、「再考、統合失調症」をメインシンポジウムに据えて学会プログラムを組みました。さらに、特別講演者として、統合失調症研究の第一人者である笠井清登先生(東京大学医学部精神医学教室教授)にお願いしております。
 現在、地域に生きる患者さんが増える一方で、高齢化などにより次々と精神科医療の課題が突き付けられております。そこで、ACTや認知行動療法など最新の心理社会的治療や薬物治療、クリニカルパスなど直ぐに役立つ内容豊富なプログラムも盛り込む予定です。
 ところで、小生は精神科医療に約10年携わった後、精神腫瘍学を勉強してきましたが、生死と向き合う患者・家族に関する多くの研究手法や介入方法は殆どと言っていいほど精神医学や精神科医療から学びました。それだけに、統合失調症医療の伝統と歴史のある岡山の地で、原点から今一度精神科医療を見つめ直すことで、明日への展開を考えるよい機会になればと願っております。
 11月の岡山は紅葉狩りの季節です。さらに、大原美術館や、直島の地中美術館など観光も兼ねて、岡山にお出でいただければと、主催者一同、切に願っております。
第53回中国・四国精神神経学会・第36回中国・四国精神保健学会へようこそ
第36回中国・四国精神保健学会 会長
堀井 茂男
岡山県精神科病院協会会長
財団法人慈圭会慈圭病院院長
 岡山での中国四国精神神経学会・精神保健学会が開催されるのは久しぶりです。「晴れの国」岡山での本学会へのご参加を心より歓迎したいと思います。
 さて、皆様ご存知のように、私達の精神科医療は今世紀に入り大きなうねりを見せています。平成24年度より自立支援法が完全施行されていますが、平成25年度から障害者総合支援法に変わり、「地域社会における共生の実現」に向けて施策を講じるとあります。変ったのは名前だけという批判もありますが、私達は3障害を一律に判断、処遇することは困難であり、特に固定した障害でない精神障害には医療が必要であり、医療を離れた福祉も対策も成り立たない、と主張してきており、この考えを実際の対策に反映できるように訴え続けたいと思います。
 平成23年度から施行されている第6期保健医療計画では、日本精神科病院協会山崎學会長の提言で、その中心である4疾病5事業に精神疾患が加わり、5疾病5事業になったことも衆知のことと思いますが、この春より具体的な対策が立案、実行されていくことになっています。公的機関や行政、保健所だけでなく、私たち精神科病院、大学、診療所など各々が協力してこの一翼を担うべきであると思っています。また、平成24年度から第3期となる障害者福祉計画が策定されています。第2期のこの計画では、7万人の精神科入院患者の削減が盛り込まれて大きな反論・議論がありましたが、この件についての具体的評価も反省もなく、第3期では65歳以上の地域移行促進を掲げ、20%の増加率をその数値目標としています。今度も受け皿の保証も何もない計画にしているようです。本当に利用者、患者、家族のためになる方向をどうするべきかを忘れずに対応することを心がけたいと考えています。
 私達の精神科臨床はかけがえのない一人一人を大切にする医療でなくてはなりません。日常診療での当事者の納得のいく医療を日々目指すとともに公の動きについても注意をして戴きたいと思います。本学会では、統合失調症を改めて見直したいということでシンポジウムを、当事者を尊重する医療で高名な山本昌知先生の講演などを準備することができました。
 晴れの国 岡山は、後楽園、瀬戸大橋、倉敷の大原美術館などの名所、美作三湯などの温泉、マスカットや桃の果物など豊富な観光資源で皆さんをお待ちしています。
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