第25回日本航空医療学会総会
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会長挨拶
第25回日本航空医療学会
会長 荻野隆光
川崎医科大学 救急医学 教授
 皆さんこんにちは
 この度は、第25回日本航空医療学会総会に参加いただきありがとうございます。
皆さんの積極的な参加により演題が200題を越えました。参加者の皆さんには、積極的な意見交換をしていただきこの総会を盛り上げていただければ幸いです。
 さて、今回の総会には、海外から4演者を招待いたしました。
 教育講演ではレオナルド社の航空機開発技術者のClive Scott先生によるティルトローター機AW609 の開発についてお話しいただきます。AW609は今話題の軍用機オスプレーの商業版航空機です。現在、開発中で来年くらいには市場に出回る予定です。この機体は、今後ヘリコプターにかわる機体になる可能性があり、非常に興味深いと思いますので皆さん期待して聴講してください。
 それから、招待講演を2題準備しました。1つは、韓国からKang Hyun Lee先生をお招きして、韓国のドクターヘリを使った病院前救急診療の現状、そして2018冬季オリンピックでの救急医療体制についてお話いただきます。韓国はドクターヘリがまだ5機ですが、日本のドクターヘリを参考に韓国の救急医療事情に合わせたシステムを構築していますので、日本との違いなど興味深いお話が聞けるものと期待してください。
 もうひとつの招待講演者は、私の友人である、Gareth Davies先生です。London HEMS(これは、ご存知の方も多いと思いますが、ロンドンの救急ヘリシステムです)の現状とテロ対策について話してもらいます。英国の首都であるロンドンを知らない人はいないでしょう。しかし、英国が海外からの移民を積極的に受けいれることにより多国籍社会となり、その結果、テロが頻発していることが社会問題になっています。そのなかで、ロンドンの安全を維持するために病院前救急診療が重要な役割を果たしています。その中心にいるのがDavies 医師をはじめとする医療チームです。かれらは、ドクターヘリとドクターカーを駆使してLondonの救急医療を支えています。彼らの活動を通して、来る2020東京オリンピックの救急医療体制についても考えてみたいと思います。
 総会初日のランチオンでは、Jay-Mien Phang先生にオーストラリアの固定翼機による医療活動についてお話していただきます。Royal Flying Doctor Serviceは古い歴史があり、主に小型の固定翼機による救急診療あるいは地域医療としての訪問診療を行っています。日本でも、今後、固定翼機による救急医療を推進するためにも、オーストラリアの固定翼機による医療活動が参考になると思いましたので、今回、Jay-Mien Phang先生に来て頂き、オーストラリアの雄大な自然の中でくりひろげられる彼らの活動を紹介していただくこととなりました。
 また、今回は特別講演として、初代日本航空医療学会理事長で現名誉理事長の小濱啓次先生に「学会活動25年を振り返って」をお願いしました。日本のドクターヘリの生みの親である小濱先生に、ドクターヘリを確立する上での苦労話を総会の参加者の皆さんに話していただき、今回のテーマとさせていただいたドクターヘリの原点(回帰)について、みなさんで考えていただければ幸いです。
 シンポジウム・パネルディスカッションは6セッション準備いたしました。
  ①多機関連携による病院前救急診療はどこまですすんだか
  ②集団災害対応における航空機の利用
  ③固定翼機救急搬送の将来
  ④ドクターヘリの安全運航と教育
  ⑤ドクターヘリの課題と将来
  ⑥フライトナースの未来
 上記のセッションのねらいを、公募する際にホームページに掲載致しました。
 それぞれのセッションで将来につながる活発な意見交換をしていただきたいと思います。
 ランチョンのセッションでは先に述べた、ランチョンセミナー1Jay-Mien Phang先生の講演のほかに、二つのセッションを準備しました。
 ランチョンセミナー2では、「搬送資源の位置情報を考慮した災害時保健医療活動支援システム」という演題で、芝浦工業大学 環境システム学科の市川 学先生に、地理情報システム(GIS)を用いた災害時保健医療活動支援システムの実際とその有用性について紹介していただきます。
 また、ランチョンセミナー3では「ドクターヘリにおけるe-learningの活用」という演題で、愛知医科大学病院の坂田 久美子先生に、最近注目されているe-learningによるドクターヘリ医療スタッフの教育についてお話していただきます。
なお、ランチョンセミナーのお弁当は当院栄養部が創意工夫したものです。皆さんには岡山の秋の味を満喫していただけるものと思いますので、期待してください。
 各ドクターヘリ基地病院にお願いして、それぞれの基地の基本情報をいただき本学会当日配付のプログラム集の中に掲載させていただきます。皆さんが他の基地の情報を共有するのに是非有効活用していただきたいと思います。そして、今回は。各基地病院に「地域医療を支えるドクターヘリ」という共通タイトルで各基地病院の活動を発表していただくようお願いしました。それぞれの基地病院の特色ある活動を紹介いただけることを期待しています。
 本総会の最後には、対談として「ドクターヘリの過去・現在・未来」を企画しました。日本航空医療学会が発足して25年、ドクターヘリ事業が本格運航開始から18年目の本年、ドクターヘリ発祥の地である、ここ川崎学園で日本航空医療学会総会を主催することができました。これも、ひとえに関係各位のご協力の賜物と感謝申し上げる次第です。そして、本対談では、日本航空医療学会にこれまで寄与してくださった先生方に登壇していただき、ドクターヘリの過去を振り返り、そして、現状を直視して、これからのドクターヘリを築いていく後継者のみなさんに熱いエールを送っていただきたいと思います。
 今回参加される皆さんには、是非展示を一度は見学していただきたいと思います。今回は屋外展示として、BK117-C2のモックアップによるシミュレーション機体の展示、H145(BK117-D2)の実機展示、救急自動車(災害対応車)の展示などを企画していただきました。いずれも、興味ある展示と思います。是非皆さんそれぞれの展示にお立ち寄りください。また、会場内には医療機器メーカー、航空機メーカー、情報伝達システム会社等の展示をしていただきます。最近は、予算の関係で、中小規模の学会にはなかなか展示の協力がいただけない事情があります。そのなかで、今回大分無理をして協賛をお願いして多くの会社に展示をしていただきます。このような、展示企画に協賛いただける会社がないと学会開催もなかなか困難な状況にあります。是非、今回参加の皆様方には、展示会場に足を運んでいただき展示を見て、それぞれの会社の企画に関心を持っていただくようお願い致します。
 本総会を企画するにあたり、多くの皆様方から、いろいろな企画を提示いただきました。本当に、感謝致します。ただ、諸事情により、ご提案いただいた企画が実現しなかったものも少なくありませんでした。新しい企画は、次回以降の総会にまた提案していただければ幸いです。
 総会1日目の最後には、倉敷アイビースクエアーにできた新しい会場エメラルドホールにて第25回日本航空医療学会総会を記念しての懇親会を企画しました。総会会場からはバスの送迎をいたします。懇親会では秋の夜長の楽しい夕べを満喫していただければ幸いです。懇親会費の3倍のお楽しみを用意しておりますので、是非ご参加ください。
 今回、倉敷児島の地元業者に特製コングレスバックをジーパン生地で作製していただきました。会費納入の参加者には無料ですが、数に限りがございますのでお早めに引き換え券と交換に受け取ってください。

最後になりましたが、本総会を準備するにあたり、これまで日本の航空医療に携わってこられた皆様方の多大なご協力・ご支援を頂いたことに厚く感謝申し上げます。

 第25回日本航空医療学会総会 会長 荻野隆光拝