第22回日本冠動脈外科学会学術大会 会長 小林 順二郎 国立循環器病研究センター |
このたび第22回日本冠動脈外科学会学術大会を、2017年7月13日(木)と14日(金)に、大阪の千里阪急ホテルにおいて開催させていただくことを大変光栄に存じます。
私が、大阪大学医学部を卒業して第一外科に入局した昭和55年には、教室には国立循環器病センター(現研究センター)名誉総長の川島康生先生が主任教授を務めておられ、その下には同じく名誉総長の北村惣一郎先生が講師としておられました。当時は内胸動脈を使用したCABGは一般的でなく、出張病院の大阪府立病院心臓センターでもすべて静脈を用いたCABGでした。北村先生はすぐに奈良県立医科大学の教授に就任され、直接話したりする機会もほとんどありませんでした。その後、北村先生は国立循環器病センターに副院長としてこられ、センターでの心臓移植を主導されましたが、冠動脈外科に関してもご指導いただきました。このお二人の先達のおかげで今回日本冠動脈外科学会学術大会を開催させていただくことになったと考えております。
本学会のテーマは冠動脈外科の「EBMとReal World」とさせていただきました。STICHトライアルやROOBYスタディーなど左室形成術や人工心肺を使用しない冠動脈バイパス術の有用性が失われつつありますが、日本の冠動脈外科医は両者の有用性を信じて日常診療を行っております。これらEBMとReal Worldの違いを検討して、今後の冠動脈外科学のさらなる向上に寄与できればと考えております。現在海外からの招請講演者と特別プログラムを熟慮しておりますので、決まり次第順次お知らせさせていただきます。7月中旬の熱い大阪ですが、実り多き学術大会になりますよう、皆様の多数のご参加を心よりお待ちしております。