さて、このたび日本糖尿病学会中国四国地方会第57回総会の会長にご指名いただき、2019年12月6日（金）、7日（土）の２日間、徳島のあわぎんホールにおいて開催させていただくこととなりました。

　糖尿病医療はこの10年で大きく進歩しました。DPP-4阻害薬やGLP-1受容体作動薬、そしてSGLT-2阻害薬など新しい薬効の薬剤が次々に市場に登場し、2型糖尿病患者個々への病態に関する理解も深まり、治療の個別化さらに治療目的がHbA1cの改善から良質な血糖変動の実現へと変遷しています。また、１型糖尿病治療においても、血糖変動を可視化できる先進機器の導入や低血糖を予防できるインスリンポンプの開発により、これまでにない優れた血糖管理が行えるようになりました。しかし一方で、末期腎不全など重症糖尿病合併症を持つ症例が増加を止まず、個々の医療を超えた地域ぐるみの多職種共同作業による腎症重症化対策が展開されています。

　そこで、本学会の開催を通じ、グローカルな最大の健康課題である糖尿病の克服に向け、できる限り貢献する所存です。国立国際医療センターの植木浩二郎先生（国立国際医療センター）より特別講演を、さらに池上博司先生（近畿大学）と綿田裕孝先生（順天堂大学）から教育講演をいただき、1型および2型の糖尿病医療の課題と解決に向け、知見と議論を深めたいと存じます。中国・四国地区の糖尿病の診療および研究に従事する医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、理学療法士、臨床検査技師、保健師の皆さんには、是非ご参加いただき、多くのご演題を賜り、活発な討論を行っていただければ幸いです。

　例年より少し遅い時期の開催となりますが、参加いただく皆様方にとって、有意義なホットな会になりますよう誠心誠意準備させていただきます。どうぞ、多くの方々と徳島でお会いできますこと楽しみにしております。よろしくお願い申し上げます。

平成30年12月吉日

日本糖尿病学会中国四国地方会第57回総会
会長　松久宗英