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ご挨拶

第87回日本産業衛生学会
学会長    荻野 景規
(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 公衆衛生学分野 教授)

 このたび私儀学会長を拝命し、来る平成26年5月21日(水)~24日(土)、25日(日)【特別研修会】の5日間の日程にて岡山コンベンションセンター、岡山全日空ホテル並びに岡山シティミュージアムにおいて、第87回日本産業衛生学会を開催させていただくことになりました。
 近年の我が国の労働者環境は、グローバル化や国際経済情勢、東日本大震災の影響を直接に受け、悪化の一途です。長時間労働や低賃金、雇用不安に脅かされ続ける労働者の健康状態は、その自殺率や精神疾患による休職率の増加等が如実に物語っております。しかしながら、政権交代後の現在、経済上向きの傾向がわずかに見え始めました。今後の労働環境改善が期待されます。この機に乗じ我々研究者もなお一層の研鑽を図りたいと思います。
 第1回日本産業衛生学会は、1929年・昭和4年に、倉敷労働科学研究所(現在の公益財団法人労働科学研究所)所長 暉峻義等(てるおかぎとう)氏を会長として岡山県倉敷市で開催されました。暉峻義等氏は「労働をより人間的に」を目指した倉敷紡績の第二代社長大原孫三郎氏に招かれ、真夏の5週間、従業員と寝食を共にしながら紡績工場の一角に泊まり込み、劣悪な労働条件下での昼夜二交替作業が若い女子工員たちに及ぼす生理的、心理的な影響の実験・調査を始めたことで有名です。当時の「交代勤務研究」・「労働と音楽」研究・労働者の所要カロリー研究から考案した「労研饅頭(ろうけんまんとう)」などは今の目で見てもユニーク且つ有効です。不幸なことですが『女工哀史』や『蟹工船』が再読される現在、過重労働等による健康障害で苦しむ労働者数は一向に減っていないと言わざるを得ません。暉峻義等氏の「現場主義、問題解決指向、データ依拠」で「労働を科学的に改善しよう」とする姿勢は、現在も労働科学の基本です。第87回日本産業衛生学会は、当時の精神に立ち返り、産業保健を科学的学問的に再評価したいと思います。
 また産業保健専門家の役割は、決して企業内の健康管理で終わるものではありません。社会全体に貢献できる産業保健、退職後の労働者の生活習慣病の発生を予防するために、産業保健施策への健康日本21の導入推進が必要と思われます。今回はメインテーマとして「産業保健:原点から未来へ」を挙げ、「抗少子化及び抗加齢化」をサブテーマとしました。
 ぜひ岡山始発の産業保健の歴史をたどる旅にも来られて下さい。多くの皆様のご参加を、心よりお待ち申し上げております。

 



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