第9回日本経カテーテル心臓弁治療学会学術集会 JTVT2016
会長挨拶
第9回日本経カテーテル心臓弁治療学会学術集会 JTVT 2018 会長
外科系
内科系
小宮 達彦
倉敷中央病院 心臓病センター副センター長、
心臓血管外科主任部長
後藤 剛
倉敷中央病院 循環器内科部長
臨床研究センター長

 このたび、第9回日本経カテーテル心臓弁治療学会学術集会(JTVT2018)の開催を倉敷中央病院心臓血管外科、循環器内科で担当させていただくこととなりました。本会が心臓弁治療に携わっておられる皆様にとりまして有意義な会となるよう、ハートチーム全員で準備に全力を尽くしております。参加される皆様のご協力もお願いいたします。 
 本会は、経カテーテル大動脈留置術(TAVI)の治験が始まった2010年に、Transcatheter Cardiovascular Therapy Symposium(TCTS)として始まりました。当院も治験に参加させていただきましたが、当時はわからないことが多く、経食道心エコーだけで弁のサイズを決めるなど、今から振り返るとずいぶん大胆な治療を行っておりました。その中で、海外から経験豊かな先生方からの情報提供、プロクターとしての技術指導のおかげで治験も良好な成績で終了し、その結果を基に2013年の保険償還に至りました。2013年の第4回TCTSは当院が担当させていただきましたが、保険償還直前ということもありハートチームの役割、スクリーニング方法といったTAVIを始めるにあたっての準備に関する話題が中心でした。その後、経カテーテル的大動脈弁置換術関連学会協議会の設立、厳密な施設基準の作成、徹底したプロクター制度による症例スクリーニングと技術指導により、世界に類を見ない優れた治療成績でTAVIが日本に普及、定着するに至りました。さらに、以前は困難と考えられていた二尖弁に対するTAVIも、最近では日常診療の一環として行われるようになり、その詳細な検討、治療成績の報告が、昨年の本会で行われました。今後は、中間リスク症例、透析症例、あるいは変性生体弁に対するvalve in valveなどへの適応拡大が期待されており、JTVT2018でも十分時間をかけて議論したいと考えています。
 また、2018年には、僧房弁閉鎖不全症に対するカテーテル治療器具、MitraClipが市場へ導入さることが期待されています。昨年までの治療概念や海外の臨床成績の紹介から、一歩進んで、わが国での臨床成績、治療経験を議論することが可能となるでしょう。TAVIの導入初期と同様、症例選択に必要な画像診断、手技の基本、tips and tricksを具体的に学ぶ場として、また、合併症の経験を共有する場として、JTVT2018が機能することを目指しています。

 本会は、参加される皆様の交通の便を考え、倉敷の地ではなく大阪で開催いたします。有意義で魅力的なプログラムを計画していますので、たくさんの皆様の参加をお待ちしています。