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会長挨拶
第9回日本CAOS研究会
会長 三谷 茂

川崎医科大学骨・関節整形外科学・教授

 このたび、第9回CAOS研究会を平成27年3月12日(木)と13日(金)の2日間の日程で、倉敷アイビースクエアで開催させていただきますことを大変光栄に存じております。本研究会は、わが国の整形外科分野へのコンピュータ支援手術の普及を目的に2007年に発足した研究会であります。第1回研究会会長の菅野伸彦先生をはじめとする先人たちの努力に支えられ、CAOS技術は広まりつつあります。現在では、術前の画像診断や三次元的な手術計画、またナビゲーション併用手術など様々な恩恵を受けることができます。一方で、このような非常に便利で有用なCAOS技術を敷居が高いとか、一部の専門家だけの技術と感じる先生方が多いのも事実です。私が医師になった30年ほど前は、X線透視装置やCTがない整形外科病院は多数存在していましたが、現在ではそのような病院は考えられません。それと同じように、将来的にはCAOS技術がない病院は考えられない、というような未来を想像しています。今回の研究会のテーマを「マニアだけじゃないCAOS」としましたのも、整形外科全般への普及を目指してのものです。今まで使用経験のない先生方にも気軽に参加していただきたいと思います。

 今回は神戸赤十字病院の伊藤康夫先生に脊椎手術における実践的なCAOS技術について、岡山大学の藤原一夫先生に人工関節におけるロボット手術の現状についてご講演いただきます。また、韓国慶北大学のSanghyun, Joung先生には、韓国におけるCAOSの現況についてご講演いただきます。過去2年間にわたり股関節手術および膝関節手術における座標系について議論を重ねてきましたが、本研究会における標準的な座標系についての見解についても報告していただく予定です。その他、関節外科、脊椎、腫瘍、外傷など様々な分野においても討論していただく予定です。最先端の研究だけでなく、日常の経験についての発表もお待ちしております。

 研究会を開催いたします倉敷アイビースクエアは、江戸時代に幕府直轄地の天領として栄えた白壁の町“倉敷美観地区”に隣接しております。ぜひ散策がてら倉敷駅から歩いてきていただけたらと存じます。また、倉敷市南部には国産ジーンズ発祥の地、児島地区があります。現在もジーンズストリートにはオーダーメードジーンズなどを目的に多数の人が訪れております。瀬戸大橋や鷲羽山などの観光名所も近くにありますので、時間がありましたら足を延ばしていただき倉敷市の自然や文化などに触れていただけたらと存じます。

 本研究会が実り多きものとなるよう、教室をあげて精一杯努力してまいります。全国から多数の先生方のご参加を心からお待ち申し上げております。