会長挨拶
GID(性同一性障害)学会第21回研究大会・総会
会長 難波 祐三郎
岡山大学病院 ジェンダーセンター長・教授
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この度、GID(性同一性障害)学会第21回研究大会・総会を岡山市において開催させて頂きます。主催させて頂きます岡山大学病院ジェンダーセンターならびに形成外科学教室にとりましてはこの上ない光栄であり、会員の皆様に心から厚く御礼申し上げます。本大会の岡山市での開催は2002年(第4回大会)、2012年(第14回大会)に次いで3回目です。会期は2019年3月23日(土)、24日(日)の2日間、会場はJR岡山駅から連結路徒歩約3分の岡山県医師会館です。
今大会のテーマはThe next step in the next decade~法律、保険、そしてその先に~としました。お分かりの通り「法律」とは2003年に制定された特例法のことであり、本法により戸籍上の性別を変更出来るようになりました。また「保険」とは2018年4月より乳房切除術を含む性別適合手術の保険適用が認められた事です。ただし、「保険」については混合診療の問題が持ち上がり、完全な保険適用になるにはホルモン補充療法の保険適用を待たなくてはなりません。それでもGID治療における大きな前進であったことは間違いありません。
そして「その先」には何が待っているのでしょうか。10年後には当事者が望むような社会になっているでしょうか。性別適合手術の技術は飛躍的な進歩を遂げているでしょうか。本大会ではまずは次の一歩、the next stepについて大いに語りあえる会にしたいと考えています。
「平成」と言う年号も2019年4月30日をもって終了し、GIDと言う名称もICD-11ではGI(Gender Incongruence)に変更される予定で、まさに平成最後のGID学会研究大会となります。この記念の研究大会を意義あるものにするためにも全国から多くの方にご参加頂き、本大会を盛り上げて下さいますようお願い申し上げる次第です。