第53回 日本実験動物技術者協会総会in松山
学会事務局
〒701-0192 
岡山県倉敷市松島577
川崎医科大学・中央研究部 
中央研究センター
TEL.086-462-1111(内線)29622 
FAX.086-462-1199
e-mail:
jaeat2019@med.kawasaki-m.ac.jp
大会長あいさつ
第53回日本実験動物技術者協会総会 in 松山
 大会長 矢田 範夫(岡山大学自然生命科学研究支援センター)

 私ども一般社団法人日本実験動物技術者協会は、来る第53回全国総会を、本年10月24日(木)~26日(土)の3日間、松山市総合コミュニティセンター(愛媛県松山市)にて開催する予定で、現在大会組織委員一同、全国の皆様をお迎えする準備を進めております。
 今大会のテーマを「伝えたい技術・伝えるための技術 ~世代を越え、稔りゆく未来につなぐ~」といたしました。
 実験動物・動物実験に関わる現場の多くで「技術の標準化」が課題として挙げられております。術者によって手技の精度が異なることが実験結果に影響をもたらし、そのために3R'sのreductionやrefinementの実現にも支障が生じかねないとすれば、それは実験動物福祉の向上に貢献することを職責とする私ども実験動物技術者にとって決して無関心ではいられません。
 現場の実験動物技術者が創意工夫によって確立した技術を吟味し、広く普遍化していくことが、この課題に対する回答のひとつになり得るのではないかと私どもは考えます。失敗すらそこでは貴重な経験になります。うまくいったこと、いかなかったこと、それらすべてを個人的経験にとどめるのではなく、そこから普遍的な中身を取り出し、次の世代に伝えていく───こうして「実験動物福祉の向上」ということを軸足に「技術」というものをとらえるところに、技術者集団としての実技協の果たすべき役割があるのではないでしょうか。こうした思いをこめて、大会テーマを選定いたしました。
 ただ、ひとことで「伝える」と申しましても、決して簡単なことではありません。何を伝えるのか、どのように伝えるのか・・・こうしたことを考えていくきっかけとなる大会にしたいと考えております。
 そうした立場から、本大会の特別講演を実験病理の世界で長年ご活躍され、現在は後進の指導にあたっておられる傍ら、人形浄瑠璃の技芸の伝承にも力を注いでおられる実験病理組織技術研究会前理事長の福田種男先生にお願いをいたしました。また記念講演として、本大会の地元である愛媛大学の学長を務められ、現在は獣医師、実験動物技術者、動物看護師養成にご尽力されている岡山理科大学学長の柳澤康信先生にお話をいただきます。さらに教育講演として、『解剖男』(講談社現代新書)や『人体 失敗の進化史』(光文社新書)などのご著書や「どうぶつ奇想天外!」(TBS)などのテレビ番組でもおなじみの比較解剖学者・東京大学総合科学博物館教授の遠藤秀紀先生にご講演いただきます。またそのほか、「宇宙マウス」や「動物の精神科医」、そして「ゼロから学ぶゲノム編集」など、多彩なシンポジウムやセミナーを企画中です。
 もうひとつ、今大会では学会での託児・一時保育の必要性などについてアンケート調査を行い、その結果を報告する機会を設けること、さらに会期中の託児室の設置も検討しております。子育て中の方、特に女性技術者・研究者の学術集会参加を応援する取り組みとしてご注目いただければ幸いです。
 全国総会を四国の地で開催するのは協会にとって初めてのことになります。道後温泉や瀬戸内の味覚も相まって、本大会が参加者の皆様にご満足いただける有意義な会となりますよう、実行委員一同、鋭意努力いたしますので、関係各方面の皆様より格別のご支援を賜りたく、お願い申し上げます。また、今月からいよいよ事前参加登録、一般演題登録も始まります。会員の皆様、ご関係各位様はもちろんのこと、皆様の周りにもぜひとも本大会への参加と演題のエントリーをお勧めいただきますよう、あわせてお願いいたします。