会長挨拶
 第53回日本糖尿病学会年次学術集会の開催にあたり、ご挨拶申し上げます。伝統ある学会の学術集会の会長に推挙され、大変な栄誉とともに大きな責任を感じています。近年、糖尿病患者数は増加の一途をたどり、その予防と治療における優れた戦略の構築は今や国家的課題といえます。年次学術集会は糖尿病に関わる医師、コメディカルスタッフが一堂に会し、研究成果の発表・情報交換を行うことで新たなる知見の普遍化を図ることを目的としており、糖尿病学および糖尿病診療の発展に極めて重要な場を提供するものです。
 本学術集会では「糖尿病予防の推進とエビデンスに基づく新たな治療パラダイムの確立」を目標に、テーマを「革新する糖尿病学−予防と治癒へのあくなき挑戦」といたしました。疾病としての糖尿病とその合併症の機構解明、治療におけるエビデンスの整理統合をめざし、21世紀の糖尿病の包括的対策に寄与したいと思います。人口の高齢化とともに社会問題化している糖尿病患者の急増を目の当たりにし、今後の糖尿病学の進むべき道を考えたとき、我々に課せられるのは、治療の進歩を礎としつつ、糖尿病を日常の身近な疾患としてとらえ直し、予防と治癒、その先にある克服を目指した学問的挑戦に踏み出すことではないでしょうか。
 本学術集会における新たな試みとして、現在の臨床上の様々な課題などをあらかじめ対立軸として設定し、ProsとCons双方の立場から複数の演者にディベートを行っていただくセッションの開催を予定しています。ディベートを通じて問題点が浮き彫りになると同時に、今後の展望が開かれるものと期待しています。また、課題を広く一般市民と共有するために、学会としてのメッセージを社会に向けて積極的に発信する場にしたいとも考えています。中国四国支部では平成6年の島健二会長以降、学術集会は開かれておらず、その開催は当支部における糖尿病学の進歩にとって極めて意義あるものと考えています。現在、教室の総力を挙げて準備を進めているところです。皆様のご支援を心よりお願い申し上げます。
 開催時期ですが2010年5月27日〜29日の3日間に定めました。開催場所はJR岡山駅に隣接した岡山コンベンションセンターその他諸施設ですが、各会場はJR岡山駅を基点に徒歩数分圏内に連結しており、地方開催でありながらも利便性は良好です。一人でも多くの皆様の参加をお待ちしています。
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