会長挨拶

 第39回日本肝臓学会西部会開催にあたって


第39回日本肝臓学会西部会
会長 山本 和秀

(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
 消化器・肝臓内科学 教授)

   この度は、第39回日本肝臓学会西部会会長を拝命し、大変光栄に存じます。本会は、「肝臓病学の新たな幕開け:病態解明から治療へ」をメインテーマとして岡山市で開催いたします。
   ウイルス性肝疾患及び肝細胞がんは、わが国の肝臓病診療の主体を占め、その病態解明と治療法の開発は臨床上重要な課題であります。近年、肝炎ウイルス研究の進歩、ホストの遺伝的多型性の解明、更には新規の抗ウイルス薬や肝細胞がんに対する分子標的薬の登場など、急速に新しいエビデンスが蓄積されてきています。このような新しい手法や解析により、従来未解決であった病態の解明が進み、新しい治療法が現実のものとなりつつあります。このような観点から、シンポジウムやパネルディスカッション、ワークショップを企画しています。会員の皆様の積極的な発表や活発な討論を期待しています。
   一方、肝臓は代謝や免疫の中心臓器であり、全身の他臓器とクロストークをしていることが明らかになってきています。今後の肝臓研究や肝疾患治療を考える上で、肝臓のみを対象とするのではなく、全身臓器との関連の中で病態を捉えることが重要であると思っています。そこで、特別企画として「肝臓と他臓器とのクロストーク」を計画しております。
   また西部会では研究的側面のみならず、より臨床的な問題を討議していただきたいと思っております。日常臨床における貴重な症例報告なども奮って応募していただきたいと思います。
   本学会に参加される会員の先生方が、最新のエビデンスや急速に進化している診断・治療法に接し、明日からの診療に役立てていただければ幸甚です。年末のお忙しい季節になりますが、どうぞ多くの先生方に参加していただき活発なご討論をいただきたいと存じます。
 
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