日本産業衛生学会 中国地方会

中国地方会長挨拶

日本産業衛生学会中国地方会 会長
神田 秀幸
(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科公衆衛生学)

 2021年度より、日本産業衛生学会中国地方会会長を拝命致しました、神田秀幸と申します。産業保健を取り巻く環境は、2020年当初からCOVID-19によるパンデミックによって、混沌とした状況となりました。たった一つの感染症が社会を変え、人々の行動や往来により蔓延し、命を奪う恐れがあることを、人類は身をもって経験しました。また、個人の保健衛生行動と生産活動・経済活動が密接につながっていることを実感しました。
 この感染症蔓延によって、産業衛生の重要性、換気や労働者の動線など作業環境管理・作業管理の大切さ、健康教育・衛生活動の基本に立ち返るといった認識が、多くの市民の皆さんの中に広がっていきました。さらに、感染症流行前から取組まれてきた働き方改革に相まって、テレワークやオンライン会議などの非接触型の“新しい働き方”が浸透することとなりました。これを支える産業保健の存在感が増しており、私たち産業保健関係者の役割が社会から期待されています。他方、今後、デジタル化、センサー技術、人工知能の導入などが広がり、社会一般として、人々をより良く支える環境が整う現実が、徐々に到来しつつあります。労働の大部分は、遠くない時期に、人にしかできないことに徐々にシフトしていくことでしょう。Withコロナ時代の働き方、また遠くないこれからの働き方は大きく変革していきます。その中で、働く人たちの根幹である“生きる”を支える存在として、産業保健の活躍が求められている時代となりました。
 日本産業衛生学会中国地方会は産業保健関係者を支援し、当地方における産業保健活動の充実に寄与する存在であり続けたいと思っています。そのために、地方会活動の活性化、広報活動の充実などを通し、関係機関・団体と連携しながら、当会がより身近な、頼りになる存在を目指します。学会員の皆様におかれましては、今後一層のお力添えを頂きくことになろうかと思いますが、ご協力ご支援のほどをどうぞ宜しくお願い申し上げます。このHPをご覧の皆様方に温かく見守って頂くとともに、産業保健の新しいステージを、知恵を出しながら、一緒に乗り越えていきましょう。