第72回耳鼻咽喉科臨床学会 総会・学術講演会
学会事務局
川崎医科大学
耳鼻咽喉科学教室
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原田 保(川崎医科大学 耳鼻咽喉科学教室)
 
 第72回耳鼻咽喉科臨床学会総会および学術講演会を担当させていただくにあたり、まず本学会の会員の皆様にお礼を申し上げます。開催は2010年7月2日(金曜日)3日(土曜日)で、倉敷市にて行なわさせていただきます。
 今回のテーマは「臨床医が知らなければならない最新医学」です。皆様が御承知のように近年の医学の発展は著しい速さで進んでいます。我々のように臨床に従事している医師にとって時間的問題あるいは医療が直面する社会的変化などにより、「知らなければならない知識」を習得する十分な余裕がないのが現況です。しかし新聞・書籍あるいはインターネットの普及などにより、患者の実地に沿わない医学的知識は膨大です。このギャップによりいろいろな問題が多く生じていることは周知の事実です。そこで今回、講師の先生にお願いして膨大な情報を要領よくまとめていただき、我々が知らなければならない最新の知識をわかりやすく講演していただきます。臨床セミナーは各分野の第一人者の先生方にお願いし5題企画しました。またシンポジウムは「突発性難聴のトピックス」と「人工内耳の進歩」に関して最新の内容で話していただくことにしています。教育講演は「新しいがん治療と機能温存」と題して判りやすく講演していただく予定です。現在の厳しい医療体制を支えていく上で、女性医師の存在は重要ですが、周辺には多くの問題が山積しています。これらの社会問題を明確にし、解決するための一助になればと考え特別企画として「耳鼻咽喉科女性医師を取り巻く環境」と題して、時間を設けました。
 「最新の医学」や「女性医師を取り巻く環境」などの講演をとおして会員の皆様になにかを伝えられたら幸いと考えています。また特別講演は倉敷で最も有名な大原美術館の理事長であります大原謙一郎氏に「文化は心の座標軸−大原美術館の主張と活動」と題してお願いしています。慌ただしく生活に追われている現代の医師にとって心の余裕は非常に重要です。芸術をとおして心の余裕をもたらすための知識などをご教示していただけると思います。
 最後になりましたが開催地の説明を少しさせていただきます。
 倉敷市は江戸中期から約300年間幕府の直轄領で、非常に文化密度の濃い街です。現在も美観地区の倉敷川を中心にいろいろな歴史的建造物が保存されています。その代表が大原美術館です。大原美術館は大原孫三郎氏が小島虎次郎に収集させた西洋絵画を陳列するために昭和5年にできた、わが国最初の常設西洋美術館です。学会場からこれらを含む美観地区に徒歩で5分間ぐらいで行けます。学会で疲れた頭脳を休めるには良い環境です。     
 現在教室員一同、一丸となり準備を鋭意に進めていますが、当教室ではこのような大きな学会を今まで担当したことがありません。運営にあたり会員の皆様にご迷惑をお掛けすることが多いと思いますので、ご指導およびご指摘をよろしくお願い申し上げます。
 多くの皆様に参加していただき、実りある学会にしたいと考えています。