会長挨拶
第22回日本がん免疫学会総会
会長 鵜殿 平一郎
(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 免疫学分野 教授)
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平成30年8月1日(水)~3日(金)、第22回日本がん免疫学会総会を岡山市で開催することになりました。一年を通して最も暑い時期ではありますが、副会長の藤原俊義教授、木浦勝行教授とともにオール岡山で皆様をお迎えさせていただきます。
ヒトCD8T細胞認識がん抗原の同定から、既に四半世紀を超える月日が流れました。最小単位のワクチン、即ちMHCクラスIに埋没したがんペプチドワクチンを手にしたという当時の興奮を想い出します。その後の紆余曲折を経て、再びの興奮、いやそれを遥かに超える、今や「がん免疫治療が実用化された時代」の高揚感の中で私たちは日々の研究・診療に勤しんでおります。
様々な免疫治療法が効くのか効かないのか最も興味ある部分ですが、同時にその理由を広く深く知ることができれば、そこを起点に次なる興奮が待ち受けているはずです。今回は、腫瘍免疫学のさらなる深層を勉強するために、腫瘍微小環境および我々にとっては幾分未知なる分野、「代謝とがん」、「代謝と免疫」に一部フォーカスしてみました。
上記に加え次世代の研究者育成を目指すべく、ネオ抗原、CAR-T、細胞療法など多様な研究分野の、とりわけ若手研究者には全員に口頭発表の機会を設けてみました。ポスター発表と併せて若手研究者の顔が見える機会になればうれしい限りです。
また、私の留学時代の恩師Dr. Pramod K. Srivastava(Connecticut Univ., USA )も駆けつけてくれます。ネオ抗原の同定とそれを用いたがんワクチンを誌上で最初に発表したのは博士です。独特の世界観を披露していただけるかと思います。さらに、代謝免疫から視たがんの攻略について、初来日というDr. Jeffrey C. Rathmell(Vanderbilt Univ., USA )からは当該分野の最先端のお話を伺えると期待しています。
最後になりましたが、今回は若手と一般演題を併せて97演題と非常にたくさんのご参加をいただくことができました。皆様に心よりの感謝を申し上げます。大会進行中は行き届かぬ部分も出てくるかと思いますが何卒ご容赦いただき、本大会が少しでも実りある議論の場となりますればこの上ない幸せでございます。