第55回日本小児股関節研究会
会場案内
さん太ホール-SANTA HALL-
〒700-0904
岡山市北区柳町2-1-1
(山陽新聞社新本社ビル)
会長挨拶
第55回日本小児股関節研究会開催にあたって
第55回日本小児股関節研究会
会長 赤澤啓史
旭川療育園 園長

 この度、第55回日本小児股関節研究会を「Experienced Based Medicineもええじゃないか」というテーマで開催させて頂くことになりました。本邦では、この分野の症例数は多くはありません。ということで、evidenceと言えば外国の文献が頼りと言うことになりますが、そこに書かれていることは本当に子供達のためになっているのでしょうか?また、純粋に医学としての方向性は間違っていないのでしょうか?1例1例を大切にするという気持ちを込めて、あえて時代に逆らってexperienceが大事と言うことを掲げました。その上で、日本の若手の小児整形外科医が社会的な事情とかではなく基本的な事に立ちかえって疾患を見直し、この会からオピニオンリーダーとして世界に羽ばたいていって欲しいと思います。
 私は、昭和59年に岡山大学整形外科に入局してすぐに、本人には不本意であった小児整形外科部屋に入れられ、その後ずっと小児整形外科畑を歩んできました。途中、抜けることも出来たのですが、徐々に面白味がわかってきたので、そのままその部屋に居続けました。私が初めてこの会に参加させて頂いたのは、入局後すぐの第23回の札幌でしたので、自分の医者人生とほぼ重なります。そのような者が、本研究会の会長をすることは微妙な気もしますが、身に余る光栄と存じております。また、岡山大学にとっても、第14回の故 田邊剛造名誉教授、第36回の小田浤先生、第48回の三谷茂教授に続いて、4回目の開催となります。
 過去の研究会における数々の論争を先輩から聞いたり、自分が経験したりして、熱い研究会であったはずなのですが、最近は少しおとなしくなっている気がしています。今回は時間の許す限りホットな論争を繰り広げて頂きたいと思っています。特にexperienceがない若手の先生には、experienceがある先生に疑問点をどんどんぶつけて頂きたいと思います。つまらない質問でも構いません。責任は会長がとります。
 教育研修講演ですが、国立がん研究センター中央病院整形外科の川井章先生に「見逃してはいけない疾患 ─小児股関節周囲の腫瘍─」について、佐賀整肢学園こども発達医療センターの藤井敏男先生には「Historia再見;先天股脱予防研究会の10年と現在の乳児股関節健診」についてお話を頂くことにしています。そして、三谷茂教授に「DDH(脱臼) – 60年間の動向 –」でお話しして頂きたいと思います。
 昨年の7月24日に、田邊名誉教授の訃報に接しました。孫弟子にあたる私としては、ぜひ本研究会を見て頂きたかったので、本当に残念です。天国の先生に「まあまあじゃの」と言ってもらえるように頑張りますので、皆さん宜しくお願いします。
 平成28年5月14−15日には、倉敷市で伊勢志摩サミット教育大臣会合があり、岡山県は盛り上がっていると思います。岡山には、倉敷美観地区、後楽園、瀬戸内海、吉備路、伊部(備前焼)など、案外見るところがたくさんありますので、もう一泊していただき、瀬戸内の魚、千屋牛、ピーチポーク、黄ニラなど美味しいものを満喫していただければ幸いです。また、懇親会など夜の部はチャーリーとして頑張ります。
 最後になりますが、医療型入所児施設(旧肢体不自由児施設)である旭川療育園として本会をやらせて頂くので、開催中は何かと不行き届きのことがあるかと存じますが、職員が精一杯のおもてなしをさせて頂いている結果としてご容赦ください。