日本産業衛生学会 中国地方会
地方会ニュース 第42号(令和6年1月)
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ご挨拶と現況について

徳弘 雅哉
三菱自動車工業(株)統括産業医 水島製作所産業医
 三菱自動車の徳弘です。2016年より現職でお世話になっております。今回、貴重な機会を拝命しました。よろしくお願いいたします。
 いきなりお叱り多数かと思われますが、コロナ禍(下)において、改めてレポート・論文を読むようになりました。会社より「新型コロナどうなの?」「何すればいいの?」との問い合わせに基づいて、「公的機関がこう言っている。」、「このような研究があるので、この辺が妥当。」と返すために再開し た次第です。
 かつては、恩師である神代雅晴先生(産業医科大学人間工学名誉教授)に、「論文は1日に2つは読みなさい。」「いや、日本語で楽するんじゃないよ、英語だよ。」「 abstract で終わってるではないか。」 と優しくご指導をいただいていましたが、忙しさを理由に、2日に1つ、2週間に1つ、2か月に1つ、むしろ2年に(以下略)、と完全に疎かになっておりました(お叱り多数、お受けいたします)。新型コロナウイルスに関するものはもちろんのこと、その他のテーマにいたるまで、あらためて色々な勉強をいたしました(もちろん翻訳ツールは使用率100%)。2週間に1つは読んだのではないでしょうか(お叱り多数、お受けいたします)。
 一方、インターネット全盛の時代です。様々な種類、内容(レベル)のレポート・論文が存在するものまた事実かと。「これはもうちょっと結論を待ちたいな。」「他の人はどう述べているかな?」といったものもありました。流行初期には、“ 喫煙者はコロナにかかりやすい”、“ 喫煙者はコロナにかかりにくい” といった相反するレポートもそれぞれあったかと記憶しています。鵜吞みにせず、自身できちんと判断する、ということも改めて再認識いたしました。なお、一見すると、「これは!?」とやや懐疑的なものも。欧州から出ていた「納豆はコロナに効果ある」「日本で納豆を食べる地方ではCovid-19 による死者が1人も出ていない」といったものもありました。よく読めば、“ 新型コロナは血液凝固を引き起こし、肺の弾性繊維を分解する。一方、ビタミンKは凝固を調節し、肺を保護するタンパク質の生産、特にビタミンK2が有効でそれには納豆が~ ”、という話だったのですが。当時上司に送った「納豆という話もあります」というメールは、2年半たった今でも放置されています。 要点をきちんと説明する、という私の粘り不足でした。納豆だけに。いや、上司としては何か臭ったのかもしれません、納豆…。
 話は変わりますが、私、見た目に反して、音楽(特にヘヴィメタル、弾くのも聴くのも)が好きです。一般的には騒々しい音楽、と敬遠されがちですが、実はヘヴィメタルを聴くことで、「ストレスが減少した」「批判的な思考が改善した」「血圧と心拍数を下げた(18歳から65歳までの1540人の成人を対象として、様々なジャンルのプレイリストを対象者に聴いてもらったところ、ヘヴィメタルは参加者89% の血圧を下げ、参加者18% の心拍数を下げた)」「デスメタルを鳴らすとサメがボートに集まって来た→サメはメタルが好き」などの歓迎すべき研究発表が種々なされています。血圧に関しては、80年代ポップスが96%の血圧を下げ、36%の心拍数を下げてトップ、というオチもあるのですが、私はこれらの効果を盲目的に信じたいと思います。ヘヴィメタルは健康によい。
 なお、ヘヴィメタルを検索し始めると、「うるさい」「種類が多すぎてまとまりがない」「音数が多 すぎてまとまりがない」などの批判的なご意見があるようです。まさに私の本原稿そのものですね。
 お後がよろしいようで(よろしくありませんが)。これからも勉強を続けたいと思います。
第97回日本産業衛生学会のご案内
第97回日本産業衛生学会(広島)
準備状況について(第3報)


企画運営委員長 真鍋 憲幸
三菱ケミカルグループ株式会社
中国地方会の皆様には、第97回学会の準備におきましても、多大なるご支援を頂いており、誠にありがとうございます。このニュースレターでのご報告も第3報を迎え、刻々と迫る会期に向けて、委員一同、気を引き締めて準備に臨んでいるところでございます。

今回は、大きく①企画、②運営の2つの準備状況につきご報告させて頂きます。
①企画について
1.主な企画

   *追加・変更になる場合があります。また、講演演題名は仮題です。
<百年企画・メインシンポジウム 1>
  関東大震災から100年、過去事例を踏まえた未来志向の災害時の産業保健のあり方
<メインシンポジウム 2 >
    循環器病対策基本法を踏まえた両立支援
<特別講演>
  問題解決ができる産業保健スタッフが知っておくべき健康情報の取扱いと法
<基調講演>
  精神障害の新認定基準の概要

2.その他の企画(シンポジウム・教育講演・特別企画等)の主なテーマ
模擬裁判 日本産業保健法学会との合同企画
変革期における産業保健看護職の巻き込み力(りょく) ~ポジティブ・ディビアンス:現場に埋もれた「宝」を探し出せ!~
自律管理の時代における技術者と技術専門家の倫理-測定等に関して
サイエンスに基づく歯科疾患予防~国民皆歯科健診を見据えて~
産業保健に関わる政策法制度の未来・自律管理へ向けて必要なもの
化学物質の自律的管理の実践-現場でのリスクアセスメントと測定-
多様化する社会における第14次防災計画への対応
職場における新型コロナウイルス感染症の罹患後症状
働く人々の疲労リスク管理・新版疲労蓄積度チェックリスト
医師・医療職の働き方改革 (地域交流企画シンポジウム)
職場における合理的配慮について:現状と課題解決の糸口
大規模工事の安全衛生
働く女性の健康(非薬物的介入のシステマティックレビューと職域における女性の健康保持増進に向けた指針案)
DX 時代の労働安全衛生・遠隔産業衛生
両立支援の新たな展開(社内ピアサポーターの効果)
NIOSH モデルから考える腰痛予防対策
多職種による中小企業の安全衛生活動支援
LGBTQ +労働者への産業保健の向き合い方
個人用保護具PPE を科学する~その立ち位置と現状~
産業歯科保健におけるアブセンティーズムとプレゼンティーズム
変革期における産業保健看護職の基盤づくりと新任期教育
デジタルヘルステクノロジ(DHT)を活用したメンタルヘルス予防介入ガイドライン事業
科学的エビデンスに基づき振り返る:COVID-19流行下における労働者の働き方と健康
支援者のセルフケア ―感情負荷の高い場面として自殺のポストベンションを例に―
産業医学基本講座受講のススメ
医師の働き方改革における長時間労働医師への健康確保措置
GPS(良好実践事例)の活用~ストレスチェックにおける集団分析結果の活用~
デューデリジェンス視点からの運輸業における過労死等防止の実践~知見を生かした中小事業所の産業保健サービスの新しい試み~
粉じんによる労働衛生史の振り返り
広島G7サミット後の本学会『100周年を見据えたミッション』―産業衛生分野における国際協力
産業衛生×宇宙 ~来たるべき未来を見据えたキックオフ~

上述のとおり、極めて多彩なコンテンツがラインナップされることになりました。これも多数の皆様に公募企画に応募を頂きましたお陰様です。是非とも、一流の、また最前線の講義・討論を楽しみにして頂けましたらと思います。

 なお、上記テーマの他、「高年齢の転倒災害防止」、「がんと口腔健康管理」、「ロービジョンケアに おける医療と企業の連携」、「Well-being と産業保健」、「産業保健職の研究活動における倫理的手続き」、「健康日本21(第3次)の推進と産業保健」などの教育講演も多数企画しております。
 また、ダイバーシティに関するフォーラム、学会国際交流事業・採択課題紹介シンポジウム、さらには、一日通しの国際シンポ会場の設定、多数の自由集会、また、新たな企画として、「おひとりさま歓迎!~はじめての学会参加、多職種でつながってみんさい~(仮)」をはじめとした若手や学会初参加の会員の皆様が交流できるためのイベントや名刺交換会なども予定しております。中国地方会の皆様に置かれましては、是非とも会場に足を運んでいただけましたら幸いです。

3.今後の予定 (2023 年11 月22 日時点での予定です)
・ 自由集会申込   :2023 年8 月23 日(水)~ 11 月24 日(金)
・ 一般演題募集期間 :2023 年11 月8 日(水)~ 2023 年12 月13 日(水)
・ 前期参加登録期間 :2023 年11 月8 日(水)~ 2024 年3 月6 日(水)

4.懇親会について
会期3日目である5月24日(金)18時ごろより、メイン会場である広島国際会議場内で開催する方向で検討中です。詳細が決まりましたら、HPでお知らせさせて頂きます。

②運営について
「オール中国地方会でやろう!」という神田会長のお言葉を頂戴し、私たちは以下の目標をたてて準備にあたっています。
 ・参加登録者数は4,500名を目標にしよう (数字の目標も大切)
 ・参加者の満足感が高い学会になるよう、テーマを元に誠心誠意取り組もう
 ・準備に関わる全員が、「楽しかった」、「成長した」と思える学会にしよう

塩田事務局長兼実行委員長、久保プログラム委員長はもとより、委員会全員、ひいては地方会員の皆様全員のお力添えを既に頂戴しているところです。
ファイナンス計画としても、現時点では、ランチョンセミナーの申請具合なども順調です。

残り半年、誠心誠意準備に務めて参りますので、引き続きご協力の程よろしくお願い申し上げます。
なお、適宜、学会HP もアップしておりますので、ご高覧下さい。

 ・ ホームページ: https://convention.jtbcom.co.jp/sanei97/
 ・ X とnote に学会運営の進捗や広島の現地情報を随時掲載しております。

X

https://twitter.com/97sanei
note

https://note.com/97sanei
第67回中国四国合同産業衛生学会の報告

第67回中国四国合同産業衛生学会会長
三宅 吉博
愛媛大学大学院医学系研究科疫学・公衆衛生学講座
  初春の候、皆様におかれましてはますますご清栄のことと推察申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 去る令和5年12月2日(土)、12月3日(日)の二日間、愛媛大学城北キャンパスにおいて、「すべての就業者に産業保健を届ける」をメインテーマとしまして、第67回中国四国合同産業衛生学会を開催し、無事に終了致しましたことを御報告申し上げます。まずは、ご参加頂きました135名の方々に、心より御礼申し上げます。
 初日の産業医部会では、野口俊治先生(きたじま田岡病院)を中心に「頭痛症例の治療と仕事の両立支援プラン作成ワークショップ」が開催され、日本医師会認定産業医制度指定研修会として生涯(実地)研修2.5単位を取得できました。産業保健看護部会では「産業保健看護職のスキルアップの現状と課題」と題して千葉敦子先生(産業保健看護部会副部会長、青森県立保健大学健康科学部准教授)よりご講演を頂きました。産業衛生技術部会では「騒音がもたらす健康障害~騒音障害防止のためのガイドライン(令和5年4月改定)~」と題して中市健志様(リオン株式会社)と「有害化学物質がもたらす健康障害~化学物質の自律管理(令和6年4月施行)における保護具の選定とフィットテスト~」と題して國谷勲様(スリーエムジャパンイノベーション株式会社)よりご講演を頂きました。各々日本医師会認定産業医制度指定研修会として生涯(実地)研修1単位を取得できました。産業保健歯科部会では「歯科診療における感染予防対策の実際」と題して太田耕司先生(広島大学大学院医系科学研究科(歯))、「歯科訪問診療における労働衛生問題について」と題して西岡達志先生(にしおか歯科クリニック)、「愛媛県歯科医師会の産業保健に関する取り組みについて」と題して山内誓先生(一般社団法人愛媛県歯科医師会)よりご講演を頂きました。
 懇親会は43名のご参加を頂き、愛媛大学校友会館内のメイプルにおいて開催されました。
 二日目の午前中は特別講演I として、VISION PARTNER メンタルクリニック四谷院長の尾林誉史先生に「産業医だからできること、産業医としてすべきこと」と題してご講演頂きました。特にメンタルヘルス問題について、社内のコミュニケーションの重要性が強調され、大変有意義なものとなりました。
 特別講演IIとして、岸田労働安全衛生コンサルタント事務所代表の岸田建夫様より「ウイズコロナ時代の産業医、産業保健師等の役割について」と題してご講演頂きました。愛媛労働局や労働基準監督署で長年務められたご経験に基づき、産業医、産業保健師等の役割を広くご紹介いただき、今一度、法令遵守の精神の重要性を具体的に知ることができ、極めて価値ある講演となりました。それぞれの特別講演では日本医師会認定産業医制度指定研修会として生涯(更新)研修1単位を取得できました。
 その後、総会に続いて一般演題の口演が行われ、多岐のテーマにわたる9演題の発表があり、各演題で質疑応答による十分な議論がなされました。
 予算的な観点で、最近ニーズの高いハイブリッド型の学会とはなりませんでしたが、コロナの終息により久しぶりの対面による学会となり、WEBでは得られない豊富なコミュニケーションに基づく相互理解が深まったのではないかと思います。また楽しい学会となり、これもひとえに、学会のみなさまより頂戴いたしました御支援御指導の賜であると、心より感謝申し上げます。今後とも本学会が盛会となりますことを心より祈念いたしております。
理事会報告

理事会報告(2023年度第2回、第3回)

真鍋 憲幸
三菱ケミカルグループ株式会社
2023 年度第2回及び第3回の理事会のご報告をさせて頂きます。

■第2回理事会(2023/7/22 開催)
<主な審議、協議、報告事項>
1.理事会活動方針について:森理事長より

2023年度から2024年度の理事会活動方針案が提示された。前体制の活動の進捗を踏まえたうえで、以下の6項目から構成され、さらに具体的な16の取り組みが設定されている。
学会の目的と基盤を前提とした取組み
学会の運営基盤の強化に関する取組み
会員の満足度向上および自己実現、人材育成のための取組み
学会運営の有効性向上のための取組み
国内外の学会等との連携強化の取組み
学会運営のリスクマネジメント改善の取組み
質疑応答では、より具体的な企画の提案や、これらの活動の実行には事務局体制の強化が必要である等の声があった。理事会活動方針案は、一部文言修正のうえ承認された。
監事より項目数が多いことについて、担当理事や事務局の業務負担を心配する声があった。

2.全国協議会担当地方会について
(第2回での報告に曖昧な点があったため、第3回理事会で、確定情報として説明)
・2025年度は、四国地方会、2026年度は中国地方会が担当する。

3.業務執行理事報告関連
(1)内閣府の定期立入り調査について
2024年6月21日に実施された。なお、立ち入り調査は、特に問題があって臨時に実施されたものではなく、コロナ禍で延期されていた定例の調査である。以下指摘事項について対応が必要となる。
 (真鍋注:具体的な指示は本部理事会より別途あるものと思われる)
①厳格な内部統制が必要である
下部組織の活動把握のために各組織の議事録、活動がはっきりとわかるものの記録などが必要である。そのため地方会総会等の議事録あるいはそれに準じるものを残して頂くようお願いする。
専門医制度あるいは専門家制度において、規定あるいは細則の資格付与の際の基準に利益相反規定を入れるようお願いする。具体例として試験官が同じ所属団体(会社など)にならないよう配置するなどが必要となる。すでに実施済と思われるが、規定内などへの明記を含めて対応されたい。
②経理管理の厳格化
現金管理のより厳格な対応が必要である。今後、定期的に各組織で手持ちの現金額について報告を求めることとなる。
助成金の支給については、公益法人としては事業として申請を出す必要がある。なお、学会員以外にも広く助成対象を取る必要がある。

(2)今後の学会、全国協議会ポスター発表の運営の方向性について
   (検討中であるが、「方向性」としての報告)
ポスター発表については、できるだけディスカッションを活発に行っていただきたいという観点から、原則現地発表とする。また、オンデマンド配信を必須とする。これに関連して発表参加しやすいように託児所の開設を必須とする。オンラインのリアルタイムでの配信はオプションとする。

(3)各組織の内部留保への対応について
  2022年度の期末残高で内部留保が多額の組織について
  ① 減額していく対策を提出頂く
  ② ①の内容如何によっては助成金の減額等を検討する
 ・参考:内部留保は1年間の事業費以内が目安。各組織においての内部留保が積み重なる
     ことで学会全体の内部留保が膨れ、公益法人の規定に抵触するリスクが高くなる
     ための対応である。

■第3回理事会(2023/10/1 開催)
<主な審議、協議、報告事項>
1.地方会研究会に関する覚書(2023年10月1日)

日本産業衛生学会では、地方会内に研究会を設置し、活動することができる。
(詳細は以下を参照)
経理を含めて地方会長の責任の下、地方会内で管理する
運用等は本部研究会に準ずる形で行われることが望ましい
運用等は本部研究会に準ずる形で行われることが望ましい
本部の研究会としての活動を希望する場合には設立要件を満たすことが求められる

2.インボイス制度対応
各組織の長にガイドとフォームを送付したが、今後、説明会の開催を検討する。

3.「 リスクアセスメント対象物のリスクアセスメント結果に基づき健康診断の要否を
  決める際の考え方についての指針(産業医版)」の取扱いについて

産業医部会から案を理事会(業務執行理事)へ提出の後、業務執行理事でレビューアーを選任したうえでその結果を踏まえ最終的に理事会で確認する予定となった。

4.医師会認定産業医単位シール管理の厳格化に関する情報提供(業務執行理事)
当会における医師会認定研修会においても、不正ができないように工夫をして運営する必要がある。
以上 
部会報告 産業医部会報告
令和5年日本産業衛生学会中国地方会
産業医部会 報告

部会長 真鍋 憲幸
三菱ケミカルグループ株式会社
中国地方会の皆様に、産業医部会の活動報告をさせて頂きます。
といいながら、現下、医部会世話人会のメンバーのほとんどが、第97回産業衛生学会の委員業務を担当しておりまして、本年度に関しましては、学会の準備・企画運営に医部会活動の主軸を充てさせて頂く部分が大きいことをご了承いただけましたら幸甚です。

本年度、中国地方会産業医部会は、前部会長の山口大学奥田先生から、小生とUBE 株式会社統括産業医の塩田直樹先生がそれぞれ部会長、副部会長をお引継ぎし運営を開始しております。令和5年12月に開催予定の役員会・総会にて、各県代表や学術、総務、経理担当の世話人を確定し、事業計画に沿って2年の任期の活動を進めて参りたいと思います。
(本号原稿執筆が令和5年11月にて確定的な記載となっておりませんことをご了承下さい)

なお、直近の計画しております行事予定は以下の通りです。
① 2023年12月2日(土) 中国四国合同産業衛生学会(松山市)にて研修会開催
(四国地方会産業医部会と協働)

内容:「頭痛症例の治療と仕事の両立支援プラン作成ワークショップ」
きたじま田岡病院 内科  野口俊治 先生をお迎えして、上記の想定ケースを用いた「治療と就業の両立支援プラン」の作成をグループワークにて行います。

② 2024年5月22日(水)~25日(土) 第97回日本産業衛生学会(広島市)にて
 産業医部会フォーラム、産業医部会シンポジウムの開催 (本部産業医部会と協働)
 ■産業医部会フォーラム概要
 テーマ:タイトル多様化かつ高度化する産業医業務のスキルアップと実務支援
     〜産業医の生涯教育のあり方の模索〜
 座 長:塩田直樹 先生 (第97回日本産業衛生学会担当幹事)
     各務竹康 先生 (第98回日本産業衛生学会担当幹事)
 演 者:神村裕子 先生 (公益社団法人 日本医師会 常任理事(産業保健担当役員))
     斎藤 恵 先生 (日本産業衛生学会 産業医部会 第35回全国協議会担当幹事)
     松本 理 先生 (東北村田製作所)
     岡本昭夫 先生 (一般社団法人 京都工場保健会)
 指定発言:大神 明 先生 (日本産業衛生学会 専門医制度委員会事務局)
 ■産業医部会シンポジウム
   自律的化学物質管理に伴う、「リスクアセスメント結果に基づく健診等」について取り上げる
予定です。

③ 2024年11月 中国四国合同産業衛生学会(岡山市)にて研修会開催
 (四国地方会産業医部会と協働)

  まずは第97回学会の成功に向け、産業医部会員の皆様にもご支援を賜りたく、引き続き何卒御指導の程よろしくお願い申し上げます。
部会報告 産業歯科保健部会報告
産業歯科保健部会報告

内藤真理子
広島大学大学院医系科学研究科口腔保健疫学
 今年度から中国地方会の産業歯科保健部会事務局を担当いたします、広島大学の内藤と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。
 2024年5月に第97回日本産業衛生学会 in HIROSHIMA が広島市で開催されます。産業歯科保健部会は、本学会でがんと口腔健康管理をテーマとした教育講演や産業歯科保健のアブセンティーズムとプレゼンティーズムに関するフォーラムを企画しています。研修会では、国民皆歯科健診を見据えてサイエンスに基づく歯科疾患予防をテーマとした講演を予定しています。
 産業保健分野で治療と仕事の両立支援が重要な課題となっており、がん患者の就労に関する総合支援事業の拡充が行われています。がん治療の支持療法のひとつとして、周術期口腔機能管理があります。具体的には、口腔ケアや歯性感染巣のコントロールを目的とした口腔管理が実施されています。教育講演では、兵庫医科大学の岸本裕充先生から、臨床家の立場からがん患者の両立支援につながる情報を科健診のありかたについて、宝塚医療大学の森田学先生からご講演をいただく予定です。産業保健にかかわる関係者の皆様とともに、実り多い充実した会を創り上げていきたいと考えています。
 最後に、部会事務局が置かれている広島大学大学院医系科学研究科口腔保健疫学研究室について触れたいと思います。広島大学は3つのキャンパスを有しており、本研究室は医療系キャンパスである霞キャンパス(広島市)にあります。歯学部の社会歯学教育、4 年制歯科衛生士養成課程ならびに大学院博士課程前期・後期の教育に従事しています。厚生労働省の助成を受けて、2019 年に広島大学歯学部歯科衛生士教育研修センターが設立されました。本センターを基盤に、歯科衛生士を対象とした復職支援や離職防止に関する企画運営にもかかわっています。微力ですが、産業歯科保健分野の研究や人材育成に貢献していきたいと考えております。ご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。
部会報告 産業看護部会報告
県を越えて、繋がりましょう

本田 桐子
J スクエア中国四国健康増進センター
  2023年6月から、中国地方会 産業保健看護部会幹事を仰せつかりました本田桐子(J スクエア中国四国健康増進センター)と申します。現在、JTB グループの中国四国地区担当保健師として勤務しています。日頃より社外の部会員の方にも、相談にのってもらったり、励ましてもらったり、助けていただくことが多く大変感謝しております。

〈産業保健看護職 世話人会〉
 毎年、中国四国合同産業衛生学会期間中に「産業保健看護職 世話人会」が開催されています。中国四国の9県から、産業保健看護職で構成される研究会の代表者と学会代議員(産業保健看護職)が、活動報告や情報交換、親睦を目的として集まります。今年は12月2日(土)松山で開催される予定で、この原稿を書いている時点ではまだ開催されておらず、世話人会の様子は改めて皆さまと共有できればと思っています。各県地元に根ざした取り組みの紹介や、地方会で協働した方がよい活動など、有意義な意見交換会になることを楽しみにしています。

〈オンライン研修会の恩恵と課題〉
 最近、研修会の運営に携わり知ったこと(驚いたこと)は「オンライン研修会は、機材費、技術料が発生し、結構な費用がかかる」ということです。遠方で気軽に会場に行けない場合、オンラインで受講できることは大変便利です。一方、現地で多くの人と出会い対話し、明日への活力が得られることも、研修会参加の良さだと思います。この両方のメリットを限られた資源の中で継続的に実現させていくには、運営側のIT 知識とスキルを上げていくことが必要だと感じています。職場で積極的にオンライン教育を実践されている方がいましたら、ぜひともお知恵をお貸しください。

〈100周年を見据えたミッションと重点活動事項〉
 本学会は100周年を迎える2029年に向けて、「公益社団法人日本産業衛生学会100 周年を見据えた ミッションと重点活動事項」を定め、推進を図っています。
https://www.sanei.or.jp/files/about/mission2019.pdf
 中国地方会産業保健看護部会はその主要活動として「中国地方会(産業保健看護職)へのメーリングリストを活用した情報発信」を挙げています。
 教育研修、イベントのご案内をはじめ、会員(仲間)の存在を身近に感じていただける記事を配信できればと考えています。県の垣根を越えて会員同士の“ 繋がり・拠りどころ” を作っていく一助になればと思います。

〈広島の学会でお会いましょう〉
 2024年5月、いよいよ中国地方会が主管となる第97回日本産業衛生学会が広島で開催されます。
産業保健看護部会シンポジウムはもとより、中国地方会の看護職チーム企画による産業保健看護部会フォーラム、さらには広島県産業保健研究会企画による教育講演も加わり、産業保健看護職の勢いを感じさせるプログラムが目白押しです。
 ぜひ広島にお越しいただき、活気ある雰囲気、参加者との交流、再会をお楽しみください。
部会報告 産業衛生技術部会報告
2023年度産業衛生技術部会活動

森本 寛訓
川崎医療福祉大学医療福祉学部
子ども医療福祉学科 准教授
産業衛生技術部会について
 日本産業衛生学会産業衛生技術部会は,2001(平成13)年4 月,高知で開催された日本産業衛生学会総会において承認(産業医部会,産業看護部会に次ぐ3 番目の専門部会として)されました。当部会は日本産業衛生学会の会員が産業衛生のあらゆる分野での資質向上に努める際,特に技術的側面に焦点を合わせて互いに切磋琢磨・支援できるような共通の場として設けられました。産業衛生技術系会員相互の意見・技術交流はもちろん,活動指針の検討や他の部会と連携した総合的な産業衛生活動の円滑な推進発展も,部会活動の目的にしています。
 中国地方会の産業衛生技術部会としては,地方部会から全国に情報を発信できる活動を続けたいと考えています。そのためには,研修会の充実,研修会以外の活動,地方会内の他の部会との連携強化,他の地方会の産業衛生技術部会との交流等を計る必要があると考えています。産業衛生技術部会に入会し,中国地方会の技術部会での活躍を期待しています。
 産業衛生技術部会の活動状況については随時,ホームページで紹介しています。当部会へは,日本産業衛生学会員であればどなたでも入会できます。日本産業衛生学会費以外の会費はかかりません。

2023年度活動報告
 2023年度は,1)第96回日本産業衛生学会および2)第33回日本産業衛生学会全国協議会において以下の活動を行いました。
1) 第96回日本産業衛生学会
 (栃木県宇都宮市,現地開催およびライブ配信:5月10日(水)~ 12日(金),
 オンデマンド配信:6月1日(木)正午~ 26日(月)正午)
・産業衛生技術部会フォーラム
 「これからの騒音障害予防対策について」(5月12日(金)15:30 ~ 17:30)
・産業衛生技術部会シンポジウム
 「社内外の産業衛生技術専門家の「自律的な化学物質管理」
  〜オキュペイショナルハイジニストから見た実務/ 指導/ 助言・課題・展望〜」
 (5月11日(木)15:00 ~ 17:00)
・産業衛生技術部会総会(5月12日(金)15:00 ~ 15:30)
2) 第33回日本産業衛生学会全国協議会
 (山梨県甲府市,現地開催:2023年10月27日(金)~ 29日(日),
 オンデマンド配信:2023年11月13日(月)正午~ 12月11日(月)正午)
・ 産業衛生技術部会研修会「北陸甲信越における現場からの報告~最近の話題を中心に~」
 (10月28日(土)14:00 ~ 16:00)
・産業衛生技術部会シンポジウム「経皮吸収に関する最近の動向」
 (10月28(土)10:00 ~ 12:00)

さいごに
 上記の活動報告から,2022年度にも取り上げられていた「自律的な化学物質管理」に関する話題 提供に加え,騒音や経皮吸収など,労働衛生上,従来から重要であったトピックにも焦点を当てて議 論されていることがわかります。産業衛生技術部会は,労働衛生の3管理である作業環境管理,作業 管理および健康管理の視点を念頭に置き,最新の話題に目を配りつつ,現場で常に求められている情 報も発信して,産業衛生技術に従事する皆さまの実践に貢献できるように努めます。
編集後記
日本産業衛生学会中国地方会 会長
神田 秀幸
岡山大学学術研究院医歯薬学域公衆衛生学
 明けましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
 昨年(2023年)も世界中が混乱する年でした。ロシアによるウクライナ戦争は終息をみず、イスラエルではガザ地区での紛争が始まりました。また、東アジアでは、北朝鮮の相次ぐミサイルの発射、台湾有事の懸念など、世界平和が訪れるのが遠くなっている情勢です。また、地球規模の気候変動が続き、猛暑や豪雨、気温変化の異常など、異常気象の渦中にあることを実感せざるを得ません。私たちの生活でも、原材料費や輸送費の高騰、記録的な円安などにより物価高騰が続き懐の痛い状況が続くこととなりました。COVID-19 は感染症法5 類へ移行し国内では落ち着きを取り戻しながら、インフルエンザやノロウイルスなどの感染症が流行するなど、生活の中での留意が引き続き必要な状態が続いています。
 さて本号は、各部会から寄せられた内容を盛り込んだ紙面となりました。激動する社会の中で、国内外の労働衛生、産業保健の動向を学び、働く人たちの健康や安全につながる示唆を与えていくことが、当学会の使命であることを改めて思う号です。
 今年(2024年)は、第97回日本産業衛生学会を当地方会が主管となって、広島で開催する年です。
真鍋企画運営委員長、塩田事務局長を中心に、運営委員会およびプログラム委員会により着々と準備が進められています。これまでの運営から、中国地方における新旧、各県、多士済々のメンバーが明るく楽しく、責任を持って進められている様子を見ています。このペースで、地方会を挙げて、広島大会を盛り上げていきましょう!また、秋の中国四国合同産業衛生学会が当地方会の担当です。岡山県が担当で、岡山大学高尾総司先生に学会長をお願いしています。全国学会、合同地方会学会と本年は連続しますが、これを成功させることが当地方会の大きな仕事です。
 今年も激動の年になるのか、飛躍の年になるのか、皆さんとともに、同じ時代を充実して過ごしていきたいと思うところです。皆様のご健勝を祈念して、編集後記と致します。